近藤史明

近藤史明さんは、弊社フォレストヒルミュージックアカデミーにて、中野義久先生に大学1年生からギターを学び、九州大学卒業後、フランス国立ストラスブール音楽院に入学、6年間の研鑽を積んだ後、昨年はフランス地方演奏家ディプロマを取得されました。 その間には、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員に選定されたり、フランスで行われた、「UFAM国際ギターコンクール」で優勝したりと、幅広く活躍されています。 昨年、7月に6年間の留学を終えて、帰国した近藤史明さん。弊社でギター講師として、また、演奏家として活動されています。

6月30日に、中野義久先生をゲストにお迎えし、フォレストヒル音楽工房主催による「帰国記念ギターリサイタル」を行う近藤さんにインタビューを行いました。(濱)


●ギターをはじめたキッカケは何ですか?
近藤史明:ギターとの最初の出会いは実家に眠っていたフォークギターでした。16歳くらいの頃だと思います。長年使われていなかったので、弦高がむちゃくちゃ高かったのを覚えています。その後、両親にエレキギターを買ってもらいました。 クラシックギターは高校のギター部に入ってから弾き始めました。高校に指導に来られていた先生が「アルハンブラの思い出」を弾くのを聴いて、クラシックギターにハマっていきました。当時、村治佳織さんがメディアを通じて出てきたことも大きかったと思います。

●フォレストヒルアカデミーにはいつ入学ですか?
1999年、つまり大学1年生の10月からだったと思います。

●入学した決め手は何だったのでしょうか?
大学のギター部の先輩に誘われたのがきっかけでした。
その先輩が中野先生門下だったので、なんの迷いもなく中野教室に入学しました。


●中野師匠について、大学生の近藤君にはどういう印象でしたか?
一言でいえば、「山から下りてきた仙人」のようでしたね。笑 当時はあご鬚も長くていらっしゃいました。今もお変わりありませんが、コンパクトで安定した演奏フォームがとても印象的でした。


巨匠、オスカー・ギリアにもレッスンを受講

●留学の決め手は?何故フランスと決めたのですか?
そもそも留学のきっかけを最初に作ってくださったのが、ギター製作家の松村雅亘さん(当時、松村ギターを使用)なのですが、松村さんが紹介してくださったのが、リューティストの今村泰典先生でした。そして、その今村先生が教えているのがフランスのストラスブールでした。 他にも何カ所か旅行して、各地の先生にレッスンを受けましたが、当時の僕が最も必要としていたことを教えてくれそうな場所を選びました。それが偶然フランスだったのです。

●フランスに行って「来て良かった」と感じたことはどんなことですか?
「来てよかった」と感じるひとつひとつの出来事はささいな事なのですが、素晴らしいコンサートを聴いているとき、美術館で気に入った絵の前にいるとき、美味しいワインや食事に出会ったときに特に「来て良かった」と感じました。 あと、フランスでの先生(DUO MELISのアレクシスとスサナ、今村先生)に出会えたことは、一生の宝だと思います。音楽に対する見方がそれまでとは全く違うものになりました。他にもここでは紙面が足りないほど色々な先生に様々なレッスンを受けましたし、色々な体験をしました。そのすべてに感謝しています。 フランスには今でも心の底から「行って良かった」と思いますし、行かせてくれた両親に感謝しています。

●大変だったことを、いくつか教えてください。
始めてヨーロッパを旅行した時に困ったのは公衆トイレがなかったことですね。最終的にはバーなどに駆け込めば何とかなる場合もあります。ただし、便座がないこともありました。 ストラスブールはヨーロッパの中でも国際的な街なので、日本人であることが障害になることはほとんどありませんでした。むしろ、日本はドラゴンボールなどのアニメやソニー、トヨタなどの工業製品を通じて広く知られているので、優遇されることさえあります。 フランスには6年も住んですっかり慣れてしまったので、今は逆に日本の生活に慣れるのが案外大変だったりします。

●フランスでの活動内容を簡単に教えてください。

最後の2年間は音楽院に通いながら2つの音楽学校をかけもちしてレッスンをしていました。生徒は10歳前後の子供が8割くらいでしたが、70歳台の方もいましたね。また、自宅でも何人か教えていました。合わせて50名くらい生徒がいました。 演奏の方は音楽院から依頼を受けて、外部のセレモニーやイベントで弾かせて頂く機会が年に何回かありました。旋律楽器や歌の伴奏の仕事もたまにありました。また、自分で教会の牧師さんにかけあって教会でコンサートさせて頂いたりもしました。


2000年、弊社フォレストヒル主催で行った「村治佳織ギターリサイタル」の終演後。
大学生の近藤氏。九州大学ギターアンサンブルのメンバーと一緒に。

●現在の活動を教えてください。
現在はフォレストヒルと自宅(香住ヶ丘音楽教室)でレッスンをしながら、各地で演奏や出張レッスンをしています。帰国してからもうすぐ一年が経ちますが、これまでに色々なところへ行きました。 6月30日には福岡市内でフォレストヒル主催で、「帰国記念リサイタル」が決まっています。留学前や留学中にも毎年のように演奏会を開催して頂いていました。僕の演奏を毎回楽しみにしてくださる方がい てくださるので、励みになっています。 他にもフォレストヒルの業務に伴う、ギター・マンドリンクラブの演奏会での調弦や、編曲なども依頼に応じてやっています。 フォレストヒルには、演奏会の主催から出張演奏やレッスンのマネジメント、お店でのアルバイトに至るまで色々とお世話して頂いています。そもそもフォレストヒルが無ければ僕はギタリストにはなっていないので、僕の活動を語る上ではフォレストヒルは欠かせない存在です。 また、社長の森岡さんは僕が時々帰ってきた時に福岡で寝泊りする場所を提供してくださったり、帰国の際も物件探しを手伝って頂いたり、会社の枠にとどまらず、個人的にも色々と面倒を見てくださいました。本当に感謝しております。

●今回、アカデミーの講師として戻ってきた感想を教えてください。
一言で言えば「夢が叶った!」。この日が来るのを夢見て10年前にプロ志望宣言したことを思い出します。 尊敬する先生方や、森岡さんご夫妻と一緒に仕事をすることを夢見て頑張ってきたので、これ以上嬉しいことはありません。

●今後、どのような活動を考えていますか?

演奏、指導、セミナーなどを通じて総合的にギターや音楽の楽しさを伝えていけたらと思います。作曲もしてみたいですね。 今では僕もフォレストヒルの一員となりましたので、今後は森岡さんたちと一緒になってフォレストヒルをより活性化していきたいと思います。その一環が5月27日にフォレストヒルで開催して頂いた「レベルアップセミナー」です。僕自身が活動の幅を広げていくことがフォレストヒルやフォレストヒルに関わる方々の幸福につながると考えていますので、今後も色々な企画を提案していきたい、と思います。

●今回の演奏会にご来場いただくお客様へ一言お願いします。

ギターの醍醐味は「音色の美しさ」と「色々なスタイルの音楽を奏でることが出来る」ということだと思います。 今回の演奏会ではそのどちらも味わって頂けるのではないかと自負しております。 プログラムは16世紀イギリスのダウランドから20世紀アルゼンチンのヒナステラまで、色々な音楽をお楽しみいただけます。 もうひとつの見どころは、前半使用する19世紀ギター「パノルモ」です。森岡さんから特別にお借りして演奏させていただきます。 この当時のオリジナル楽器で奏でるメルツやソルの響きは案外なかなか聴く機会のないものです。 楽器の魅力は生演奏でお聴きいただくのが一番ですので、是非たくさんの方々にご来聴いただきたいと思います。 皆様に会場でお会いできることを楽しみにしております。