フォレストヒル音楽工房の企画で韓国公演も3回目。3月26日から29日までの4日間の日程で、韓国・釜山に、今年ノリにのっている当ミュージックアカデミーギター科講師の池田慎司先生の登場となりました。これは、釜山で活動しているギタリスト、ソ・スンワン氏の招きによって実現したもので、今回のツアーは3回目にして弊社社長の森岡も同行。この4日間マネージャーとして同行した濱砂が、レポートしました

私は過去2度の往復の高速艇"ビートル"乗船で必ず片道は揺れてしまうという経験の 持ち主ですが、今回はとても天気が良く穏やかでしたので楽勝!でした。。。と思ったの も出発10分間。この10分間の間に池田先生と私は空腹に負けてサンドウィッチを思い っきり食べてしまった。「卵が1番酔うんですよね」とハムサンドを食べながら先生は明るく おっしゃった。



旅を楽しんでいたのも束の間、ふと外を見ると波がとても荒いのです!! 「(池田)これは洒落になりませんねー」。酔い止めも飲みましたが遅すぎた。まず池田 が沈没、続いて濱砂も沈没。森岡はサンドウィッチも食べず、我々の行動を冷静に見 ていたので、(お陰で?)高速艇初体験の森岡だけが生き残った。

釜山港に到着すると、我々3人組は税関で眼光鋭い係りの人に呼び止められた。「税 関:それは何だ!(英語だったかな?日本語だったかな?)」「濱砂:へ?クラシックギタ ーです(これは日本語)」税関の人に通じたかしら(たぶん通じなかった)。変な顔をされ て3人組は別の場所へ連行されてしまった!

「なんでー!」この善良そうな3人組なのに 。。。まず池田先生が呼ばれました。真っ赤なギターケースを指さしてまたもや別の税関 の人が「税関:これは何だ!」「池田:僕のギターです」。そうこうしているうちに日本語が 堪能と思われる別の人がやって来た。「税関:ケースを開けるぞ」「池:どうぞ」「税関:何 のためにギターを持ち込んだのか?」と言っておもむろにギターをケースから出し

(あっ、気 をつけて!ケースが不意に閉まって金具が表板にささるっ!〜と私は心の中で叫びまし た)、おもむろに取り出したギターをボロン、ボロンと弾いたのです(あー!ロマニロス1世の ギターを!表板に爪を当てるなーっ!〜とまたまた心の中で叫んだのでした)。その時、 社長の「文化交流ですっ!」の一言が効いたのか?音色が気に入ったのか?(多分ギ ターの中に異物(麻薬とか?!)が入っていないのを確認したのでしょう)

池田先生は無 事解放されました。すると、な、なんと我々二人はおとがめナシ。ふー、ヨカッタ。 ということは池田先生の真っ赤なギターケースのみが怪しかったんだ!確かに町中ですれ 違う人全てが、池田先生の真っ赤なギターケースをじっと見てます、振り返る人もいます 。。。まあ、そんなことは気にせず迎えに来てくれていたソさんと一緒に、ソさんの奥さんが 待つ焼き肉やさんへ。。。いただきまぁす。



会場は6月に中野先生も演奏会を行った釜 山市内にある、"カラムアートホール"。自然な響きを持つこのホールに池田先生も、 森岡も満足。先生の体調もリハーサルもOK!全て順調。後はお客様のご来場を待 つばかり。しかし、3月も終わるというのに釜山は寒かった。やはり温度差が博多と5度くら いあるでしょうか?マフラー持って行ってヨカッタ。

池田先生は燃えているから寒くないよう ですね、薄着なのに。。。1部は「魔笛」「祈祷と舞踏」「アラビア風奇想曲」「アルハンブ ラの想い出」と流れるように演奏。途中に韓国語で自己紹介と、感謝の言葉をカンニン グペーパーを見つつ)述べました。その飾らない池田先生の人柄が観客の皆さんに伝わ り、ハイレベルな演奏を聞いて感動しつつも緊張していた空気が一瞬のうちに和みました 。

2部は7月にCD収録予定のブラジル系の音楽でノリノリに。韓国ではあまりブラジル系 のギター演奏を聞く機会が少ないらしく、1曲終わるごとにすごい反応。これまでのツアー でも感じていましたが、韓国の聴衆は素直に感情を表します。日本人にはそうしたくても なかなか表現できないですよね。この国の人々は音楽だけでなく、普通の生活の中でも 自分を主張することを忘れない民族だと感じました。





反応の良いお客様だと、演奏家も 気持ちいいでしょうね。ますます演奏がヒートアップしてきます。アンコールの2曲目、3曲 目にはディアンスの"フォッコ、タンゴアンスカイ"と演奏。軽やかな指裁きと適度な洒落っ 気を織り込んだ演奏で、ますます盛り上がりました。実は池田先生の釜山公演と同じ日 にソウルではなんと!ディアンスのリサイタルが行われていたのでした。

何とも残念な偶然 です。そのためにいつもなら、この場所にいるであろうお客様もソウルに出かけているとの こと。「こんな近くであなた(ディアンス)の曲を素晴らしく演奏している若者がいますよ。 あなたにも聴いてもらいたいくらいです。」と池田先生のアンコールを聞きながらそう思って いました。終演後、ほとんどの方がサインを求める列に並んでいらっしゃいました。

池田 先生はサインをした方全員に"カンサハムニダ"とおっしゃっていましたから、最後の方は 韓国語、上手になっていましたね。打ち上げは、ソ氏のギタースタジオです。壁には、 近藤君のリサイタルや、カスティーリャギターアンサンブル定期演奏会のチラシなど(もう 終わってるけど)弊社のチラシが張ってありました。

先生を囲んで、留学の体験談や曲 の解釈についていろんなことを話しました。先生の常に自然体で人なつっこい性格は、 世界中の誰にでもすぐ受け入れられてしまいます。いつの間にかギター演奏タイムになり、 スタートは、日本代表、森岡晃の「アラビア風奇想曲」でした。

演奏者が1順した後に 池田先生のレッスンが始まりました。この空間はフォレストヒルで打ち上げしているみたい、 先生も生徒も気兼ねなく話したり、ギター弾いたり。打ち上げに集まっている方々はソさ んからフォレストヒルのことや、アカデミーの先生のこと演奏会のことなど、いろいろ聞いて いたので「森岡さんってどんな人だろう?」と、想像してくださっていて、森岡と会うことをと ても楽しみにしてたようで積極的に話しかけられます。

皆さん九州のギター界にとても 興味がある様子、ありがとうございます。このように池田慎司韓国デビューリサイタルの 夜も暮れていくというか、(夜が)明けていくというか。。。 今回のツアーでは、スケジュールに余裕があったので釜山より地下鉄で約50分位かか る商業都市、南浦洞(ナンポドン)のCD屋さんに連れて行ってもらいました。

そこで池田 先生は、韓国の昔から伝わる音楽が集まっているCDや、韓国で有名なパーカッション 奏者のCDなど、ここでしか買えない!ものを探し当てていました。ここで我々が感じたこ と、スタッフのお姉さんの愛想がまるでない!驚いてしまいました。私なら、笑顔でお客様 には応対したいと思いますが、こちらは、「無愛想でも仕事は完璧にやりますよ。」といった 態度。

確かに私がある作曲家のCDを探していた(大きなお店で、3階まであります)の ですが、尋ねると無愛想に「ちょっと待ってください」と言い放ってどこかに電話をしていました。 しばらくすると、下の階から探していた作曲家のCDを他のスタッフが全て持ってきました。 日本だったら、「下の階にあったと思います」と言われて下の階に行ったら、「それは2階で す」なんて笑顔で言われたりして。。。結局買えずに買わずに)帰ったりするんですよね。


中途半端なサービスだと感じることが多いです。しかし、この彼女らの仕事ぶり(無愛想は 除く)を見て「プロだなぁ」と感心しました。(これはこのお店だけでなく、いろんな食べ物やさ んでもそう感じました。)お客様の立場になって対応すること、接客の基本でした。初心に 返って新たな気持ちで、お客様に接したいと思った出来事です。。そして今回もまたまたお いしいものもたくさんいただきました。

キムチの苦手な池田先生もやっぱり本場のものは別 物でした。ソさんいつもありがとうございます。今回感じたことは、池田先生のハイレベルな 演奏を韓国の皆さんがあんなに喜んでくれて、素晴らしい芸術には国境がないんだなあ、 と改めて思いました。そして何より(それは今回だけでなくいつも思うとですが)池田先生の 飾らない性格と、誰に対しても分け隔てなく接する態度です。

先生は言葉の壁など一 切感じることなく(言葉が通じていても、通じていなくても)ギターが弾ける喜びや、幸せを 伝えようとします。すると、みんなにそのことが伝わっていくんですね。このギタリストはギター が好きな人なのだ。。。この人をもっと知りたい。この人から何か吸収したい。誰もが池田 先生に対してそう感じているのを確信しました。




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